平らな道は普通に歩けるのに、駅や自宅の階段を下りるときだけ膝が痛む。上るときはそれほど気にならないのに、下りになると膝に力を入れるのが怖くなり、手すりがないと不安になることはありませんか。
階段の下りでは、上の段に残った脚で体重を支えながら、身体をゆっくり下ろす必要があります。そのため、平地を歩くときや階段を上るときとは、膝や周囲の筋肉に求められる働きが異なります。
ただし、下りだけ膝が痛むからといって、変形性膝関節症や半月板損傷など、特定の病気と決まるわけではありません。
この記事では、階段の上りと下りで身体への負担がどう違うのか、膝が痛いときはどちらの脚から降りればよいのか、手すりの使い方や医療機関へ相談する目安まで、日常生活に沿って解説します。
平地は歩けるのに階段の下りだけ膝が痛いとき、まずどうする?
階段を下りると膝が痛いときは、痛みを我慢して普段どおりに降りようとせず、まず安全に移動できる方法を選びましょう。
平地では問題なく歩けても、段差があると身体の支え方が変わります。特に下りでは、片脚で体重を支えながら膝を曲げる動きが必要になるため、痛みが出る場合があります。
階段を利用しなければならない場合は、次のような方法を考えます。
- 手すりがある階段を選ぶ
- 一段ずつ、両足をそろえながら降りる
- 急がず、後ろから来る人のために無理に速度を上げない
- 荷物を減らし、手すりを持てるようにする
- 痛みや転倒の不安が強い場合は、エレベーターなどを利用する
これらは膝の病気を治す方法ではなく、日常の移動で無理な負担を避けるための工夫です。手すりを使っても痛みが強い、膝が抜けそうになる、身体がふらつく場合には、階段を一人で下り続けないようにしてください。
具体的な足の運び方については後ほど説明しますが、その前に、医療機関へ相談した方がよい症状を知っておきましょう。
階段の下りで膝が痛いとき、整形外科へ相談すべき症状は?
階段の下りだけで膝が痛む場合でも、症状の出方によっては整体やセルフケアより先に、整形外科などの医療機関で診てもらう必要があります。
特に、次のような状態では降り方を工夫して様子を見るのではなく、早急に医療機関へ相談してください。
- 転倒や膝をひねった後から強い痛みが出ている
- 膝が急に大きく腫れた、または明らかに変形している
- 痛みが強く、脚に体重をかけられない
- 膝が引っかかったまま、本当に伸ばせなくなっている
- 膝がガクッと抜けて転倒しそうになる、または実際に転倒した
- 膝に赤みや強い熱感、腫れがあり、発熱や強い全身のだるさも伴う
外傷後に体重をかけられない、膝が大きく変形しているといった場合や、発熱を伴う急な腫れ・熱感がある場合は、救急対応が必要になることもあります。無理に歩かず、安全な移動方法を優先してください。
また、こうした強い症状がなくても、階段の下りでの痛みが続いている、以前より悪化している、通勤や買い物に支障が出ている場合には、整形外科で相談することをおすすめします。
診察の際には、どちらの膝が痛むか、膝の前・内側・外側・後ろのどこが痛むか、階段のどの瞬間に痛みが出るかを伝えると、症状を説明しやすくなります。膝の代表的な疾患や医療機関での検査については、膝関節痛の詳しい解説ページでも紹介しています。
階段はなぜ上りより下りで膝が痛くなる?
階段の下りでは、身体が下へ落ちすぎないように、上の段に残った脚で体重を支えながら膝を曲げていきます。この動きには、太もも前側の大腿四頭筋などが、身体の下降を制御する働きが必要です。
階段の上りでも膝には負担がかかりますが、身体を持ち上げる動きと、下ろす動きを制御する動きでは、筋肉や関節の使われ方が異なります。
平地・上り・下りでは、脚の役割がどう違う?
平地を歩くとき、階段を上るとき、階段を下りるときでは、身体をどの方向へ移動させるかが異なります。
| 動作 | 身体の動き | 脚に求められる主な働き |
|---|---|---|
| 平地歩行 | 身体を前方へ移動する | 体重を交互に支えながら前へ進む |
| 階段の上り | 身体を上の段へ持ち上げる | 膝や股関節を伸ばして身体を押し上げる |
| 階段の下り | 身体を下の段へ下ろす | 膝を曲げながら下降速度を制御する |
階段を下りる際、大腿四頭筋は膝が急に曲がらないように働きます。筋肉が力を出しながら長さを変え、身体をゆっくり下ろす動きです。
そのため、平地では気にならない膝の痛みが、階段を下りるときに現れることがあります。ただし、これだけで大腿四頭筋の筋力不足が原因と決まるわけではありません。膝関節の状態、周囲の組織、股関節や足首の動きなども関係します。

上の段で支えるときと、下の段に着地するときでは何が違う?
階段を下りる動作では、上の段に残っている脚と、下の段へ向かう脚で役割が異なります。
- 上の段に残る脚:体重を支えながら膝を曲げ、身体をゆっくり下ろします。
- 下の段へ出す脚:次の段へ足を運び、接地してから徐々に体重を受け取ります。
例えば、上の段に右脚を残し、左脚を一段下へ出す場合は、左足が着くまで右脚が身体を支えています。左足が着いて体重を移すときには、今度は左脚にも負担がかかります。
膝が痛むのは、上の段で体重を支えている瞬間でしょうか。それとも、下の段に足が着いて体重を移す瞬間でしょうか。無理に試す必要はありませんが、普段の動作で気づいた違いがあれば、医療機関や施術者へ伝える際の参考になります。
膝が痛いとき、階段はどちらの脚から下りる?安全な降り方
片側の膝が痛む方が階段を下りる場合、一般的な方法として、手すりを使いながら痛む脚を先に下の段へ出し、一段ずつ両足をそろえて降りる方法があります。
これは、比較的痛みの少ない脚を上の段に残し、身体を下ろす際の支持に使う方法です。ただし、全員に適した降り方ではありません。特にふらつきがある方や、外傷・手術後で医師から荷重制限を受けている方は、個別の指示を優先してください。
手すりを使って一段ずつ降りる方法
片側だけに痛みがあり、手すりを使って安全に立てる場合には、次のような降り方が一つの選択肢です。
- 手すりをしっかり持ち、急がず身体を支えます。
- 痛む側の脚を、先に一段下へ出します。
- 上の段に残った痛みの少ない脚で身体を支えながら、ゆっくり下ろします。
- 下の段に足を置いたら、痛みの少ない脚も同じ段へ移して両足をそろえます。
- 安定して立てていることを確かめてから、次の段へ進みます。
例えば、右膝が痛む場合は、右脚を先に下の段へ出し、左脚を上の段に残して身体を支えます。その後、左脚も右脚と同じ段に移します。
ただし、痛む脚を出すだけでも強い痛みがある、上の段に残す脚で体重を支えられない場合は、この方法を無理に試さないでください。手すりがあっても転倒の危険がなくなるわけではありません。

痛む脚から先に出す方法が適さない場合
両膝が痛い場合、どちらの脚でも体重を支えるのが難しい場合、ふらつきが強い場合には、片側の膝だけが痛む方と同じ方法では安全に降りられないことがあります。
また、膝の手術後や骨折後などで、医師やリハビリ担当者から体重のかけ方や階段の昇降について説明を受けている場合は、その指示を優先してください。
「痛い脚から下りれば必ず安全」ということではなく、身体を支える側の脚に十分な安定性があるか、手すりを使えるか、痛みを増やさずに移動できるかが大切です。
階段が怖い日は、無理して使わなくてよい
階段を使うたびに強く痛む、手すりを持っても身体が安定しない、膝が抜けるような感覚がある場合は、降り方の練習を続けるのではなく、別の移動方法を考えてください。
駅ならエレベーターを利用する、急な階段を避ける、荷物を減らすなども立派な対策です。階段を使わないことを我慢や後退と考える必要はありません。まず安全な移動を確保し、痛みが続く場合は医療機関で相談しましょう。
駅や自宅の階段で痛みが変わるのはなぜ?見ておきたいポイント
同じ階段の下りでも、段差の高さ、手すりの位置、荷物、混雑、急いでいるかどうかによって、身体にかかる負担や安全に動ける条件は変わります。
自宅の階段は何とか降りられても、駅の階段になると痛みが出るという方は、階段そのものの条件と、降りるときの身体の使い方を分けて考えてみましょう。
階段の高さ・荷物・急ぎ足で変わること
例えば、段差が高ければ、身体をより大きく下ろす必要があります。荷物が多いと身体のバランスを取りにくくなり、手すりも使いづらくなります。
また、通勤時間帯の駅では、周囲の人に合わせて急いでしまうことがあります。急いで降りようとすると、自分が安定して身体を支えられる速度を超えてしまうことも考えられます。
- 駅の階段:段数が多い、混雑する、急ぎやすい
- 自宅の階段:段差や手すりの位置が決まっており、比較的自分のペースを取りやすい
- 雨の日:足元が滑りやすく、踏み出しや着地に注意が必要
- 荷物が多い日:片手がふさがり、身体を安定させにくい
こうした条件が重なっている場合は、階段での動き方だけでなく、移動する時間帯や利用する経路を変えることも考えられます。
痛みが出る瞬間と、降りた後の変化を見る
膝の状態を医療機関や施術者へ伝えるときには、「階段を下りると痛い」という情報に加えて、どんな場面で痛むのかを整理しておくと役立ちます。
- 右膝と左膝のどちらが痛いか、両膝なのか
- 膝のお皿の周囲、内側、外側、後ろ側のどこが痛むか
- 上の段で体重を支えるときか、下の段へ足を着くときか
- 手すりを使った場合や、ゆっくり降りた場合に違いを感じるか
- 階段を降り終わった後も痛みが残るか
- 翌朝まで痛みや腫れが続いていないか
例えば、階段を下りているときだけ痛むのか、降りた後も痛みが続くのかでは、日常生活への影響が異なります。さらに、翌朝にも腫れや動かしにくさが残る場合には、その変化も医療機関へ伝えてください。

ただし、痛みの違いを知るために何度も階段を下りたり、わざと痛みが出る動きを繰り返したりする必要はありません。普段の生活で自然に気づいたことを整理するだけで十分です。
階段の下りがつらい膝に、墨東メディカル整体院ではどう対応する?
墨東メディカル整体院では、必要な医療機関での診察や対応を受けたうえで、階段の下りに伴う身体的な負担を考え、筋肉や関節への整体、運動、日常動作の調整を組み合わせていきます。
膝が痛いから膝だけを施術する、筋力が弱そうだからすぐに筋トレを行う、という進め方ではありません。今の膝の状態と、階段を下りる際に身体のどこが動きを支えているのかを一緒に考えながら、施術方針を組み立てます。
お話と実際のお身体から、負担が集まる部分を考える
まず、階段を下りるときのどんな場面で困っているのか、いつから痛みが続いているのか、医療機関ではどのような説明を受けているのかを丁寧に伺います。
そのうえで、実際のお身体を見させてもらいながら、膝の曲げ伸ばし、周囲の筋肉の緊張、股関節や足首・足部の動き、立ったときの身体の支え方などを見ていきます。
階段を下りるときには、膝だけでなく股関節や足首も動き、身体全体でバランスを取っています。例えば、膝を曲げにくい状態や股関節・足首の動かしにくさがある場合には、それらが階段下降時の負担に関係していないかを考えます。
ただし、動きに左右差があることや、筋肉が硬いことだけで痛みの原因を決めることはありません。実際の症状や動きと合わせて、お身体のどこから整えていくかを相談します。
必要な場合には、手すりを利用するなど安全を確保できる条件で、生活上の困りごとに関係する動きを見させてもらいます。ただし、強い痛みや転倒の危険がある状態で、階段を無理に下りてもらうことはありません。
必要な整体・運動を行い、施術後の変化を次につなげる
お身体の状態と生活上の困りごとを整理したら、施術方針を一緒に相談し、必要な整体や運動を行います。
例えば、膝周囲の筋肉や関節の動きに負担があると考えられる場合には、その部分への整体を行います。また、股関節や足首の動き、身体を支える際の筋肉の働きが関係すると考えられる場合には、必要に応じてそれらの部位への施術や無理のない運動を取り入れます。
施術後は、痛みが出ていた動きや身体の感覚がどう変わったかを一緒に見ていきます。膝の曲げ伸ばしや立ったときの動きなど、安全に比べられる条件を優先し、階段を使った無理な試験は行いません。
その場で動きやすさが変わっても、それだけで膝の病気が治ったとは判断しません。次回来院時には、普段の階段や生活の中で痛みや動きやすさがどう変わったかを伺い、その経過を踏まえて施術方針を見直していきます。

当院での膝関節痛への施術方針や、どのようなお悩みについて相談できるのかは、膝関節痛・膝の痛みの整体相談ページでも詳しくご案内しています。
まとめ|階段の下りで膝が痛いときは、安全な移動と適切な相談を
平地を歩けても、階段を下りるときだけ膝が痛くなることがあります。これは、階段の下りでは上の段に残った脚で身体を支えながら、下降を制御する働きが必要になるためです。
膝が痛いときは、手すりを使う、一段ずつ降りる、急がない、エレベーターを利用するなど、まず安全に移動できる方法を選んでください。
また、下りだけの痛みであっても、症状が続く場合や生活に支障が出ている場合は整形外科に相談しましょう。外傷後の強い痛み、急な腫れ、膝のロック、膝崩れ、発熱を伴う熱感などがある場合は、自己調整を続けず医療機関での対応を優先することが大切です。
医療機関で必要な診察・対応を受けた後も、階段を下りる際の身体的な負担や動きにくさが残っている方は、膝だけでなく股関節や足首なども含めて、どこに負担が集まっているのかを一緒に考えていきましょう。
墨東メディカル整体院では、患者さんのお話と実際のお身体の状態をもとに、必要な整体や運動を行い、その後の日常生活での変化も踏まえながら改善を目指します。
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