靴下を履くと脚の付け根が痛むときは、足裏が床につく安定した椅子に座り、痛むところまで脚を引き寄せずに履ける方法を選びましょう。足先に手が届きにくいなら、前かがみを減らせるソックスエイドという道具もあります。
右だけ靴下を履くのに時間がかかる、脚を組もうとすると付け根が詰まる、足先に手を伸ばすと痛い。同じ「靴下が履きづらい」でも、困る動きは人によって違います。ふだんの履き方を振り返ると、どこを変えると楽か、整形外科で何を伝えるかを整理できます。
靴下を履くとき、どの動きで股関節が痛む?
足を浮かせるとき、足先に手を伸ばすとき、足を反対の膝に乗せるときのうち、どの段階で痛むかを思い出してみてください。例えば、座って足を浮かせるだけなら平気でも、足を反対の膝に乗せようとするとつらい方もいます。痛みが出る動きを繰り返して確かめる必要はありません。

| 困る動き | 覚えておきたいこと |
|---|---|
| 足を床から浮かせる | 膝を持ち上げ始めると痛いのか、足を高く上げたところで痛いのか。 |
| 足先に手を伸ばす | 足を床に置いていても、上体を前に倒すと痛いのか。足先に触れる前に動きが止まるのか。 |
| 足を反対側の膝に乗せる | 脚を開く途中で痛いのか、膝に乗せた姿勢を保つとつらいのか。 |
立ったまま履くときは、持ち上げた側と、体重を支えている側のどちらが痛むかも分けてみましょう。例えば右の靴下を履こうとして左の付け根が痛むなら、「右足を上げると、立って支えている左側が痛む」と伝えると状況が分かりやすくなります。
痛くて動きを止める場合と、足先に手が届きにくい場合
脚の付け根が痛くて途中でやめる方もいれば、痛みは強くないものの、脚が曲げにくく、手がつま先まで届かない方もいます。履く途中で引っかかる感じがするのか、履けるけれど以前より時間がかかるのかも、変化を知る手がかりです。
日本整形外科学会は、変形性股関節症で靴下が履きづらくなることがあると説明しています。靴下が履きづらいという情報だけで原因を判断するのは難しいため、痛む場所やほかの動作での変化も合わせて考えます。痛む場所ごとの説明は、股関節の付け根が痛むときに確認したいことをご覧ください。
股関節に負担をかけにくい靴下の履き方
立って履くとぐらつく、脚を組むとつらいという方は、最初に座る場所を変えてみましょう。履き方を変えた後は、痛む動きを無理に試さず、ふだんの着替えが楽になったかを見ます。
安定した椅子に座り、靴下を手元で準備する
- 座る場所を選ぶ。深く沈むソファより、両足の裏を床に置けて、ぐらつかない椅子を使います。靴下は座ったまま取れる場所へ置いておきます。
- 履き口を先に広げる。靴下を手元でつま先の近くまでたぐっておくと、足先に届いた後に長い時間かがんで手を動かさずに済みます。
- 脚を引き寄せずに届く位置を選ぶ。反対の膝に足を乗せると痛む方は、足を床に置いたまま、無理なく届く範囲で靴下を近づけます。深くかがまないと届かない場合は、補助具を使う方法もあります。
例えば、普段は低いソファで右足を左膝に乗せていて付け根が痛むなら、まず椅子に移って脚を組まずに履けるかを試します。座る場所を変えても足先に手が届かないときは、手で脚を引き上げ続けるより、足元で靴下を広げられる道具が使いやすい場合があります。脚を組まずに履けたか、着替えにかかる時間や痛みがどう変わったかを、次に履くときの手がかりにしてください。
足先に手が届きにくいときは、ソックスエイドを使う方法も
ソックスエイドは、靴下をかぶせた板や筒を足元に置き、ひもや持ち手で引いて履くための道具です。製品によって形は異なりますが、ひもが付いたタイプは次のように使います。
- 靴下を道具にかぶせて履き口を広げます。かかとの向きが合っているかを確認します。
- 椅子に座った状態で、ひもを持って道具を足元に置き、靴下の口に足先を差し込みます。
- 足先を通しながらひもをゆっくり引き、靴下が足にかかってから道具を抜きます。

慣れるまでは、口が広がりやすい靴下や丈の短い靴下で試すと、道具にかぶせる工程を練習しやすくなります。股関節の手術後などで動き方の指示を受けている方は、担当の医師やリハビリスタッフに、今の時期に合う履き方と道具を確認してください。 靴下を履くための自助具と使い方(地域リハビリテーション支援センター)
股関節の痛みが続くとき、整形外科で何を伝える?
靴下を履くたびに痛む、片側の履きづらさが続く、歩くときや階段でも痛み始めた場合は、整形外科に相談してください。診察では「股関節が痛い」に加えて、いつから、どちら側のどこが、どの動きでつらいかを伝えると、普段の困りごとが伝わりやすくなります。
- いつから困っているか。前と比べて履きにくさが増しているか。
- どちらの脚のどこが痛むか。脚の付け根、股関節の外側、お尻側など。
- どの動きで困るか。足を浮かせる、手を伸ばす、脚を組むなど。
- 靴下以外で困る動きはあるか。階段、歩き始め、車の乗り降りなど。

例えば「2週間ほど前から右の靴下だけ履きづらく、右足を左膝に乗せようとすると付け根の前が痛みます。最近は階段を上るときも気になります」という伝え方です。履き方を変えると楽になった場合は、その方法も診察で伝えてください。
転倒後に股関節が強く痛む場合や、痛む脚に体重をかけられず歩けない場合は、救急受診を優先してください。痛みの原因や検査については、股関節痛の詳しい解説も参考にしてください。
当院では靴下を履く動作のどこを確認する?
墨東メディカル整体院では、「いつもどこに座り、どちらの脚を、どのように動かして履くか」を伺います。実際の履き方に近い動きを無理のない範囲で行っていただき、足を浮かせる場面と、手を足元に近づける場面を分けて見ます。

例えば足を浮かせるときに上体が大きく傾く場合は、足が床につく椅子で脚の位置を変え、手が届きやすくなるかを一緒に確かめます。必要に応じて股関節周りの動きや筋肉の張りに加え、骨盤や体幹がどう動いているかも確認し、施術・運動と日常で取り入れられる工夫を相談します。
施術や運動の後には、最初に困っていた動きをもう一度行い、どの姿勢なら足先に近づきやすいか、痛みや動かしやすさがどう変わったかを一緒に見ます。当院での確認と施術の流れは、股関節痛の施術案内をご覧ください。
靴下を履くと股関節が痛いときのよくある質問
参考資料
- 日本整形外科学会「変形性股関節症」
- 神奈川県総合リハビリテーションセンター 地域リハビリテーション支援センター「靴下をはくための自助具の紹介」
- NHS「Hip pain in adults」
- 日本整形外科学会「大腿骨頚部骨折」
朝の着替えでどの動きがつらいか、座り方を変えてどうだったかは、身体の使い方を一緒に見直す手がかりになります。股関節の痛みでふだんの着替えがしづらい方は、いつも困る動きを当院でお聞かせください。
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