肩こりと腰痛が同時に続き、さらに身体まで疲れやすい。このような状態でも、肩・腰・疲れやすさのすべてに一つの原因があるとは限りません。
ただし、同じ姿勢や身体の使い方を長く続けることで、首肩と腰の両方へ負担が集中しているケースはあります。身体の一部分が動きにくければ、別の部分がその動きを補います。その状態が続けば、症状の場所は違っていても、背景に共通する身体的な負担が見つかることがあります。
そのため、肩がつらいから肩だけ、腰がつらいから腰だけを見るのではなく、「どの動作を、身体のどこが補っているのか」まで確認することが大切です。
なお、この記事でいう「疲れやすさ」は、肩や腰への負担と一緒に感じる身体の重さ・だるさ・こわばり・身体を使った後のすっきりしにくさなどを中心に扱います。強い全身倦怠感には睡眠や体調、内科的な問題などさまざまな要因が関係するため、すべてを姿勢や筋肉の問題として考えるものではありません。
肩こり・腰痛・疲れやすさは、別々の問題とは限りません
肩と腰が同時につらくなることはあります。ただし、「肩こりも腰痛も同じ一つの原因から起こっている」という意味ではありません。
立つ、座る、前かがみになる、腕を前へ伸ばす、物を持つといった日常の動作は、一つの筋肉や関節だけで行っているわけではありません。首・肩・背中・腰・骨盤・股関節などがそれぞれ役割を分担しながら、一つの姿勢や動作を成立させています。
その中で一部分が動きにくくなったり、同じ姿勢を長く支え続けたりすると、別の部分が余計に働いて動作を補うことがあります。肩と腰は離れていますが、同じ身体の中で同じ作業を支えているため、両方へ負担が広がることは不自然ではありません。
例えば、パソコン作業中に頭が前へ出た姿勢を支え続けながら、胸や股関節があまり動かず、立ち上がるときには腰を大きく使っている人では、首肩と腰へそれぞれ異なる形で負担がかかっていることがあります。

一部分が動きにくいと、別の場所が動きを補うことがあります
身体には、ある部分の動きが少ないときに別の部分で動きを補う働きがあります。これは日常生活を続けるために必要な調整であり、補うこと自体が悪いわけではありません。
問題になるのは、その補い方によって特定の場所へ負担が集中し、それが長く続いている場合です。
墨東メディカル整体院では、頭部・胸郭肩甲帯・骨盤などが姿勢や動作の中で互いに影響し合う関係を「三層重心連動構造」という枠組みで整理しています。この記事では理論全体ではなく、肩と腰へ負担が広がる仕組みを理解するために必要な部分だけを取り上げます。
頭部|頭を支える負担が首肩へ集まる
パソコンやスマートフォンを見るときなど、頭が身体より前に位置した状態が長く続けば、首肩周囲の筋肉はその位置を支え続けます。
ただし、頭が前に出ている人が必ず肩こりになるわけではありません。重要なのは、実際にその姿勢をどのくらい続けているか、首や胸郭がどのように動いているか、どの動作で症状が強くなるかまで合わせて見ることです。
胸郭・肩甲帯|動きが少ない分を肩や腰が補う
腕を上げる、前へ伸ばす、身体をひねるといった動作は、肩関節だけで行うものではありません。肩甲骨や胸郭、背骨なども一緒に動いています。
胸郭や肩甲帯の動きが少ない状態では、その分を肩関節や腰部など別の場所で補うことがあります。仕事や家事で腕を前へ出す時間が長い人では、このような補い方が繰り返されることがあります。
骨盤・股関節|前屈や立ち上がりを腰が多く担う
前かがみになる、椅子から立つ、床の物を取るといった動作では、腰だけでなく骨盤や股関節も使います。
股関節や骨盤周囲の動きが少なく、前屈や立ち上がりのたびに腰部を多く使っている場合には、腰へ負担が集まりやすくなります。
このように、首肩のつらさと腰のつらさは別々の場所に出ていても、同じ姿勢や動作を成立させるための身体全体の補い合いという視点から見ると、共通する負担が見えてくることがあります。

肩と腰へ同時に負担が集まりやすい生活場面
肩と腰の両方がつらい人では、一つの特別な姿勢よりも、同じ身体の使い方を毎日長く繰り返していることに注目すると分かりやすい場合があります。
- 長時間パソコンへ向かい、頭と腕を前に出している
- スマートフォンを見る時間が長く、同じ姿勢が続く
- 前かがみの状態で家事や作業を続ける
- 長時間運転し、姿勢を変える機会が少ない
- 腕を前へ出したまま細かな作業を続ける
- 仕事で座位と立ち上がりを何度も繰り返す
例えばパソコン作業では、首肩では頭や腕を支え、腰や骨盤周囲では上半身を支えています。途中で姿勢を変えたり身体を動かしたりする機会が少なければ、複数の場所が長時間働き続けることになります。
一方、同じ前かがみでも短時間で終わり、途中で身体を動かせている人と、何時間もほとんど姿勢を変えない人では身体への負担は同じではありません。
「この姿勢は悪い」と形だけで判断するのではなく、その姿勢をどのくらい続け、身体のどこが支え続けているかを見ることが重要です。

「姿勢が悪いから全部つらい」とは単純化できません
肩こり・腰痛・疲れやすさを、見た目の姿勢だけで説明することはできません。
猫背、反り腰、左右差などが見つかったとしても、その形だけで症状の原因が決まるわけではないからです。
姿勢は原因を決めるものではなく、負担を読む手がかりです
姿勢を見る意味は、「見た目が正しいか」を決めることではありません。
実際には、次のような点を一緒に確認する必要があります。
- その姿勢をどのくらい続けているか
- どの部分が動きにくいか
- どこが余計に動いて補っているか
- どの動作で肩や腰のつらさが増えるか
- 仕事や家事で何を繰り返しているか
姿勢そのものについて詳しく知りたい方は、姿勢矯正・姿勢改善についての解説も参考にしてください。
「疲れやすさ」も姿勢だけでは説明しません
身体が疲れやすいと感じる理由には、睡眠、活動量、仕事や生活環境、心理社会的な負担、その日の体調など多くの要素が関係します。内科的な問題によって強い倦怠感が出ることもあります。
そのため、「疲れやすいのは姿勢が悪いから」とは考えません。
一方で、仕事や家事をした後に肩と腰がこわばり、身体を支え続けた結果として身体全体まで重く感じるのであれば、どの姿勢や動作で身体的な負担が集中しているかを確認することには意味があります。
肩と腰を別々にほぐすだけでは足りない場合があります
肩や腰そのものへの施術も大切です。肩に強い筋緊張や圧痛があれば肩を確認しますし、腰に動きにくさやつらさがあれば腰も確認します。
しかし、肩をほぐしても同じ作業をすると肩がつらくなり、腰をほぐしても同じ立ち上がり方で腰へ負担が集まっているのであれば、患部だけを見ていては全体像が分からないことがあります。
当院では、肩と腰の両方につらさがある場合、主に次の4つを合わせて確認します。
- 今つらい場所 ― 肩・腰そのものの緊張、圧痛、可動性
- 負担を集めている動作 ― 前屈、立ち上がり、腕を上げる動作など
- 他の身体領域による補い方 ― 胸郭、肩甲帯、骨盤、股関節などとの関係
- 生活上繰り返している負担 ― 仕事、家事、運転、スマートフォンなど
つまり、患部を軽視するのではなく、患部そのものと、そこへ負担を集めている身体の使い方を両方見るという考え方です。
肩こりそのものについて詳しく知りたい方は肩こりの症状と整体での考え方、腰痛について詳しく知りたい方は慢性腰痛についての解説をご覧ください。

自分で減らしたいのは「悪い姿勢」ではなく、同じ負担の固定です
日常で意識したいのは、ずっと「正しい姿勢」を維持することではありません。同じ場所だけで身体を支え続ける時間を減らすことが大切です。
- 同じ姿勢が長く続いたら、無理のない範囲で姿勢を変える
- 座った姿勢と立った姿勢を必要に応じて切り替える
- 肩だけ、腰だけではなく身体全体を軽く動かす
- 同じ作業を続けたあと、肩・腰・背中などどこからつらくなるか確認する
- 痛みを我慢して無理にストレッチしない
- 身体を動かして症状が明らかに強くなる場合はいったん中止する
「30分ごとに必ず立つ」「この姿勢でなければならない」と一律に決めるより、自分がどの作業をどのくらい続けると身体がつらくなるのかを知る方が、生活に合わせて調整しやすくなります。
肩も腰もつらい人ほど、一か所だけを伸ばし続けるのではなく、身体全体を動かしながら負担を一部分へ固定しないことを意識してみてください。
整体では、肩と腰を一緒にどう確認するのか
肩と腰の両方につらさがある場合、墨東メディカル整体院では「肩と腰のどこが悪いか」だけでなく、どの身体領域が動きを補い、どこへ負担が集中しているのかを整理して見立てを行います。
問診|肩と腰がつらくなる条件を確認します
最初に、症状の場所だけでなく、症状が出る順番や生活場面まで確認します。
- 肩と腰のどちらが先につらくなったか
- 肩と腰が同じタイミングで強くなるか
- 朝・仕事中・夕方など、どの時間帯につらいか
- 仕事、家事、運転など何をしているとつらくなるか
- 疲れやすさを「重い」「だるい」「こわばる」など、どのように感じているか
- 休むことや姿勢を変えることで症状が変化するか
こうした情報から、身体のどこを重点的に確認する必要があるかを整理します。
身体の確認|症状が出る動作を実際に見ます
次に、症状や生活に合わせて実際の動きを確認します。
- 前屈したときの腰・骨盤・股関節の動き
- 椅子から立ち上がるときの身体の使い方
- 腕を上げるときの肩甲帯や胸郭の動き
- 頭部の位置と首肩周囲の状態
- 肩・腰や関連する部位の圧痛、緊張、可動性
- 必要に応じて立位や歩行時の身体の使い方
左右差や姿勢の形があるだけで問題と決めるのではなく、本人のつらさや動作と一致しているかを合わせて確認します。
見立て・施術・再評価|同じ動作でもう一度確認します
問診と身体の確認から、現在どこへ負担が集中し、どの部分が動きを補っているのかを見立てます。
その見立てと本人が困っていることをもとに改善計画を立て、必要に応じて肩や腰の患部、筋肉・軟部組織、胸郭・肩甲帯、骨盤・股関節などへ施術を行います。
そして施術後は、前屈、立ち上がり、腕を上げる動作など、施術前に確認した動きをもう一度行います。
変化が乏しい場合は、最初の見立てへ無理に当てはめ続けません。別の身体領域や生活上の負担も含めて確認し、必要に応じて見立てと改善計画を更新します。

疲れ方がいつもと違うときは、整体より医療機関での確認を優先してください
肩こりや腰痛と一緒に身体が重く感じる場合でも、すべてを筋肉や姿勢の問題として自己判断しないことが大切です。
特に、次のような変化がある場合は、整体より医療機関で身体の状態を確認することを優先してください。
- 急に強い倦怠感が出た
- 発熱などの全身症状を伴っている
- 原因が分からない体重減少がある
- 胸の痛みや息苦しさがある
- 日常生活を送ることが難しいほど全身状態が悪い
- 急激な筋力低下や強い神経症状が出ている
「姿勢が悪いだけだろう」「疲れているだけだろう」と決めつけず、普段とは明らかに違う強い症状や全身状態の変化がある場合は、まず医療機関へ相談してください。
まとめ|肩と腰が両方つらいときは、共通する負担を確認する
肩こり・腰痛・疲れやすさが同時にあるからといって、すべてに一つの原因があるとは限りません。
しかし、同じ姿勢や身体の使い方を続け、一部分の動きにくさを別の部分が補い続けることで、首肩と腰の両方へ負担が集中しているケースはあります。
そのような場合は、肩だけをほぐす、腰だけをほぐすという考え方だけではなく、
- 今つらい場所の状態
- 症状が出る姿勢や動作
- 他の身体領域がどのように補っているか
- 仕事や家事などで繰り返している負担
を一緒に確認することが大切です。
墨東メディカル整体院では、症状の経過や生活上の負担を聞き、姿勢・動作・筋肉や関節の状態・身体全体の補い方を確認して見立てを行います。そのうえで改善計画を立て、必要な場所へ施術を行い、同じ動作で再評価します。
肩と腰の両方につらさがあり、一か所ずつケアしても同じ状態を繰り返している方は、一度「どこが痛いか」だけでなく、「身体全体でどのように負担を支えているか」を整理してみてください。
肩・腰だけではなく、身体全体の負担を一度確認してみたい方はご相談ください。
墨東メディカル整体院|完全予約制



